期待して読みましたが、正直に言えば何で年間売り上げ第1位なのか理解に苦しみました。次々に保護者が変わっても惜しみない愛情を降り注がれる主人公には、それに見合うだけの理由(魅力?)があって然るべきですが、その点について全く記述が見られません。結果的に「たまたま保護者全員がいい人たちだったのよ」と言われたような曖昧さが残りました。それとも、これは「あり得ない程の強運」を持っていた少女の物語なのか?そして、少女を不幸にしなかったのは、現代のお伽話を書こうとした作者の考えによるものだったのか?いずれにせよ「ご都合主義」が透けて見えてしまったのは私だけでしょうか?同じことは主人公の結婚相手の人物像にも伺われます。高校時代と卒業後では別人のように不自然なギャップがあり、初対面の父親(代理)が結婚に難色を示した点は理解できましたが、娘が心配な親心を強調するためのギャップであったのならば、やはり作者の都合で登場人物を動かしている印象が拭えませんでした。余談ですが、私は読了後に「その後の主人公は保護者と同様に配偶者も次々に代わっていくのかな?」などと考えてしまいました。